山田です。
どんぐりの日本語教室の対話型活動では
「付せん」を様々な用途で使用しています。
話したり聞いたりすることは、どんどん忘れてしまうものです。
そこで、目に見えるかたちで手軽に書き残して、
常にテーブルの上などで参加者が話の内容を確認できるようにしています。
その使用方法と色の対応は
活動を重ねていくうちにだんだん決まってきました。
そこで、それをご紹介したいと思います。
付せんはスリーエムのPOST IT(ポスト・イット)が有名です。
ペンで書いてグループ内の誰からも見える最大サイズの
縦75mm×横127mmを使っています。
色はイエロー、グリーン、ブルー、ピンクの4色です。
イエローが最も安く、お徳用が販売されているので多用しています。
品番はイエロー100枚×10束入りが「6551-Y」で、
他の色は単独では買えず、4色がセットになっていて、
4色10束入りが「6551-K」です。
■キーワード記録
話題の中心になっていることを付せん1枚に1単語で書き取っていきます。
キーワードの見極めは難しいので、
スタッフである対話補助者が行うといいです。
書く作業だけを書きたい学習者に任せるのはいいかもしれません。
テーマに関連したキーワードはイエローです。
同じキーワードでもテーマから脱線して生じたキーワードは
グリーンの付せんを使うと区別ができていいです。
あとで情報共有のときにみんなが注目して質問が出るように
すぐには話題が想像できないキーワードの書き方をするのも
活動を盛り上げるテクニックです。
■分類名
キーワードや列挙した単語をどのような考えで分けたかを表す分類名を
グループの参加者で決めて書きます。
通常はピンクの付せんを使いますが、
対比の関係にある2つの分類を明確に表すときには、
ピンクとブルーにすると分かりやすいです。
■単語列挙
あるお題に該当する単語を挙げていくときに使います。
これは負担なく学習者を含めた参加者全員でできる作業で、
学習者の参加意識を高められます。
キーワードの付せんの色と同じですが、
単語列挙はそれが話題のキーワードになるので問題ありません。
■アイデア
ある事柄に対する解決策などのアイデアを書きます。
1つの事柄にいくつかのアイデアを加えられるように
小さめの付せんを使うことが多いですが、
大きい付せんで下に列を作って並べてもいいと思います。
色は青を使います。
<使用例>
付せんは模造紙にまとめて複数のグループ間で交換して情報共有することができます。
下は「家事」というテーマで活動したときの活動内容をまとめたものです
(画像をクリックすると拡大表示できます↓)。
この活動では、
まず家事にどのようなものがあるか付せんにあげてもらい(単語列挙=イエロー)、
そのエピソードを話しながら、脱線内容があれば書き取り(脱線=グリーン)、
そのあがった家事を自由な分け方で分類し(分類名=ピンク)、
家事ごとにとっておきのコツなどを考えてもらいました(アイデア=ブルー)。
最初は難しいと思うのですが、
学習者にしてもらうこととスタッフである補助者がすることを分ければ、
数回で慣れてきます。
ここで紹介した付せんの使い方はもっとも典型的なもので、
他にも参加型学習の手法に沿った様々な使い方があります。