山田です。
対話型日本語教室「にほんごどんぐり」@南部公民館の
今年度の活動が始まりました。
曜日が平日から土曜に変わったこともあり、
来られなくなってしまった人もいるのですが
仕事をするために日本へ来た人たちのための日本語支援は
週末にやらないわけにはいきません。
今回はいままでの常連の方5人が来てくれましたが、
これから新規でより幅広い層の人たちに来てもらえたらと思います。
この教室は今はどんぐりの独自事業で、
文化庁の依託事業で企画した新しい活動内容を試す場でもあります。
場所代として学習者さんから100円だけ頂き、儲けなしでやっています。
スタッフには本当に感謝感謝です。
さて、今回のテーマは「日本語で話す」です。
入管法改正で日本に外国人がたくさん暮らすようになってずいぶん経ちますけど、
日本語が上手になった人となかなか上手にならない人がいます。
そこで上手にならないのはどうしてかということをみんなで考えてみました。
それを問題分析の樹形図のようにしていく活動です(クリックで拡大↓)。
問題分析というのはプロジェクトサイクルマネジメント(PCM)の過程の1つです。
本来は企画立案の際に使うのですが、
視覚的でとても分かりやすく参加型学習的な活動なので
原理のみ単純に応用して、いつか対話型活動でもやってみようと思っていました。
これが今年度どんぐりが企画した文化庁事業の新要素のひとつでもあります。
課題意識を明確にできてみんなで解決方法を考えることができます。
一番上のピンクの付箋が中心問題「日本語が上手にならない」です。
これに原因が複数あれば1つ下に並列的に横に付箋が広がりますし、
ある原因にさらにその原因があれば下へ付箋を追加して掘り下げていくことになります。
こうして問題系図という樹形図を作っていくのです。
今回は初めての試みなので
みんなが話してくれたことを私が付箋に書き留めて貼っていきました。
面白いですね。「頭に入らないから」が出てさらにその理由を聞くと、
「歳だから」とのことでした。
また、「困らないから」という理由も出ました。最もな理由かもしれません。
ここ浜松では外国人の経営するお店もあるし通訳もいるし
日本語が話せる家族や友達がいるのでそうなのかもしれません。
でも、長年生活するなら本当にそれでいいかはまた違うと思います。
いろいろ出ている途中で、中国の方から「言い訳」という言葉も出ました。
原因・理由というより言い訳のようなものもありますね…。
最初に原因をあげてもらって黄色い付箋に書いて貼って、
その次にその解決策について話して青い付箋に書いて貼る活動をしました。
本当は原因と解決策は別の模造紙でやるのですが、
活動の過程が重層的になるように混在させています。
また、黄色い原因の付箋1枚ごとに小さな付箋で解決策を追加していくのがいいのですが、
模造紙のサイズが小さかったので下にまとめて貼りました。
日本語が上手にならなくても「困らない」という人には
困る状況になればいいという意見が日本人から出ました。
また、勉強して役に立つということを知れば意識も変わるだろうという内容の意見も。
そうですね。そこに気づいてもらえたらきっと変わってくると思います。
ちょっと苦しい日本語ながらそういう意見をペルーの方が出してくれました。
素晴らしいです。狙い通りの活動になってきました。
でも、じゃあどうすればいいかは本当はもっと具体的にしないとけないんですけどね。
今回はここまで1時間でできただけでもよしとしました。
この回は他の要素も試したので長くなるので続きは次の記事に書きます。
http://tbkdonguri.wp.xdomain.jp/2012/05/12/79
プロジェクトサイクルマネジメント(PCM)について
こちらのサイトをご覧下さい。
http://www.pcmtokyo.org/
簡潔にPCMについて知る資料はこちら「PCMハンドブック」がお勧めです。
下記のリンクを右クリックしてパソコンに保存して印刷して読んでみて下さい。
このなかに問題分析についての説明があります。
http://homepage3.nifty.com/pcm/public/PCM-Handbook-J0406.pdf