キューバアジアの家日本語教室 Vol.2 いつかはカフェを

¡Hola!キューバから近藤です。

現在のアジアの家日本語教室は、2021年12月始まった入門・初級1クラスと初級2クラスのふたつ、私は日本語を全く学習したことのない人が対象の入門・初級1クラスの担当です。当初の生徒数は25名としていたのですが、特に開始して数回は登録外の人が毎回あり、その後も数人がやってきて、これまでに実に44名が登録しています。そして7ヶ月の間に出入りがあって、現在の生徒数が26名ほど。とはいえ毎回のクラスの出席者は15名前後と出席率は決してよくはありませんが、まあこれは一般教室の宿命でしょう。それでもキューバ人の教室で半年以上経ってこれだけの生徒が残ってくれるとは、予想外だったので上出来ではないかと思います。

生徒たちと。写真がちょっとボケてますが・・・

生徒の年齢層は15歳の中学生から、定年退職した70歳代の方まで幅広いですが20歳代の学生、若者が中心です。男女比は意外にも若干男性の方が多いくらい。日本語を学びたい動機は、他の国や地域の外国人学習者同様に日本のアニメやゲームが好きで日本語に興味を持ったからという人がほとんどです。アニソンを上手に歌ったり、コスプレが趣味だったりする人も。でも中には、将来観光ガイドなど職業として活かしたいと懸命な人、これまでに複数言語を習得済みで次は日本語をという語学フェチなど本当にユニークな人がたくさんいて、これがまたクラスを楽しくしてくれます。

perfil NIHONGO, 日本好きな人たちのプロフィール画像はこうなる

ちなみに現在キューバ経済を支える最大の要は観光で、なんだかの形で観光に関わる仕事に就くことを多くの人が希望しています。観光ガイドになる場合、英語は必須でさらに最低でももう一つは言語を話せることが条件となることもあって、若者を中心に語学熱は高いです。

さて話を私のクラスに戻すと、最初にカリキュラムや教材をどうしようかと考えたのですが、とりあえずキューバでもよく知られている『みんなの日本語』に沿って進めることにしました。ただひらがなカタカナが未学習だったり、すぐに習得できる人ばかりではなかったりしたので、あくまで学習項目の目安にするだけで授業ではほとんど使っていません。そして始めてすぐに過去に独学で文字や初級日本語の学習経験のある人、中には日本への留学経験者もいて、レベルにかなり差があることがわかり、途中でもうひとつの初級2クラスと生徒の入れ替えをして、若干調整をしました。

ところで先ほど書いた通り始まりがいい加減で、そもそも講座の期間も決めずに発進してしまったのですが、館長の希望もあってキューバの新学期にあたる9月から仕切り直して次期講座をスタートすることになりました。

教室のひとつ。懐かしのLL教室!?日本が寄付した機材、使われたことあるんだろうか…

9月からは今ある2つのクラスは形式上レベルをひとつ上げて継続していく予定ですが、今のところ教師は2人、教室は2つ、一般対象ということもあり開催は土曜日、しかも韓国語クラスとの兼ね合いで午後に限られる、教師も本業があるので平日は無理、さらに新規講座の開始を「待機」する人たちのために入門クラスも作らないといけない、ときています。

そんなん無理じゃん!

と、いうことで9月以降どう教室を展開していくか、新規の講座をどんなやり方で、どういったカリキュラムで進めるか、悩ましいところ。でも上にあげた問題を解決するのに何よりも先に思い浮かんだのは、というかこれしかないと思っているのは、

にほんごカフェ!!

キューバでいつかはやりたいと思っていたカフェ方式。レベル差や継続して参加する必要のある積み上げ式のカリキュラムから解放されてうまく展開できれば、おしゃべり好きなキューバ人にはピッタリの楽しい教室になるんじゃないか、と考えてひとりでワクワクしています。たぶんかどんぐりの活動で培ったノウハウを実践するにはボランティアの力量が物を言うところですが、そこは困っている人を放っておけない良い意味でお節介なキューバ人の特性でカバーして巧いことできないかなあー、と模索中。

今回が無理でも「いつかはカフェを」これがキューバで日本語教育に関わるようになった今、目下の目標です。