山田です。
文化庁が実施した「国語に関する世論調査」の結果が発表されました。
これは国語施策の参考とするため毎年実施しているもので、
日本語において、問題になっていることや、
曖昧だったり、変化が見られたりするようなことについて、
一般の人々がどう捉えているかを調査しているものです。
2020(令和2)年度の調査は、
おおまかに次の5つの枠組みについて行われました。
- 国語に対する認識
- 生活の変化とコミュニケーションに関する意識
- ローマ字表記に関する意識
- 言葉遣いに対する印象や、慣用句等の認識と使用
- 平成22年の常用漢字表記で追加された漢字の印象
長音をローマ字でどう表記するかは、私も気になっていました。
例えば、「小野」と「大野」を「Ono」と書くと区別がつかなくなりますが、
生活の中では、いろいろな表記の仕方があり、
年代別の傾向もあるようです。
ちなみに、小学校でも教える「訓令式」は、
あまり使用されていないことが調査から分かります。
ローマ字表記全般について見直す時期なのかもしれません。
「言葉遣いに対する印象」については、
この調査で度々出てくる「ら抜き言葉」についても、
最新の調査結果が出ています。
ら抜きの使用は実は一様ではなく、
「食べる/来る/考える/見る/出る」など、
動詞ごとにら抜きを使うかどうかの比率は違うことや、
世代間の違いも注目です。
本来の意味とされてきたものと
異なる意味で使っている人が多い語句についても報告がありました。
今回は「がぜん」「破天荒」「すべからく」、
「寸暇を惜しまず」なのか「寸暇を惜しんで」なのか…などについてです。
2010年に追加された常用漢字については、
単語ごとに、漢字使用によって意味の把握が容易になると思うかや、
読みにくいので振り仮名を付けるのが望ましいと思うか、
漢字ではなく仮名書きの方が望ましいと思うか、
といったことが、質問されています。
ちなみに、調査方法が面接から郵送に方式が変わったそうで、
過去の調査との比較は注意が必要です。
調査の結果について
https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/93398901.html
令和2年度「国語に関する世論調査」の結果の概要(PDF/6.7MB)
https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/kokugo_yoronchosa/pdf/93398901_01.pdf