山田です。
静岡県国際交流協会の情報誌「JOY Press」(5月1日発行の号)に、
夜間中学に関するニーズ調査の結果が紹介されていました。

国は2017年3月に、夜間中学の設置について
全都道府県に少なくとも1校は設置されるよう要請しましたが、
県や市町レベルで具体的にどのような動きがあるのか気になっていました。

ちなみに、文科省の夜間中学に関する様々な情報は、こちらで調べられます。↓
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/yakan/index.htm

2019年2月20日の静岡新聞@Sには、
静岡県教委が市町教委と連携して積極的に取り組むという方針を表明したという記事がありました。
その前提となるニーズについての調査が2018年8月〜2019年1月にかけて行われたということです。
https://www.at-s.com/news/article/education/602205.html
今後、設置に前向きな市町があれば、教員の配置などで支援するということだそうです。

さて、調査は静岡新聞によると、
「県内の外国人や引きこもり傾向の人ら108人」に聞き取りで調査とあり、
「JOY Press」では回答件数は70件とありました。

調査の聞き取りの前には、
文科省作成の動画「いまからでも、学ぼう!公立中学校の夜間学級」を見てもらったようです。
https://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg12820.html

一番気になる、「夜間中学に通いたいか」という問いでは、
「はい」82.9%(58人)
「いいえ」4.3%(3人)
「将来、通いたい」4.3(3人)
「その他」8.6%(6人)、
という結果でした。調査方法から言えば、多くて当然という気もしますが…

調査結果では世代別にも事情が異なるようで、
40代の「制度や言語の壁から来日前に身に付けた能力を活かすことができず、
日本での学びなおしの機会を要望していることが分かりました」という点は、
もう少し具体的に知りたいところです。

他にも、日本で進学しなかった理由というのも興味深い質問でした。
「日本語不足」が10人(34.5%)で最多で、
次いで「働くほうが良い」が9人(31.0%)とは残念な結果です。
外国からの編入時に、学年を下げてでもしっかり学んで、
昼間の中学を悔いなく卒業できるようにすることはできないものでしょうか。

外国人が改めて日本の中学卒業程度までのことを学びたいという気持ちを持っているならば、
夜間中学も選択肢の一つとして設置を検討してほしいものです。
また、卒業資格にこだわらず、とにかく日本語を学びたい人のためには、
公的な日本語教室の整備も重要です。