文化庁委託事業2013スタート/テーマ「暑いとき」

山田です。
どんぐりの2013年度文化庁依託事業がスタートしました。
4つの取組みのうちの1つ、
対話型日本語教室「にほんごどんぐり」の第1回目です。

会場はどんぐりの前の団体の教室「佐鳴台にほんごナイトカフェ」が
活動場所にしてきた「佐鳴台協働センター(旧称:佐鳴台公民館)」です。
2年5ヶ月ぶりに「戻ってきた」ことになります。

今回の対話のテーマは「暑いとき」です。
季節ネタのテーマで誰でも話しやすい定番テーマです。
どんな参加者が来るかフタを開けてみないと分からない初回ということで、
無難なテーマとして選びました。

この活動の目的は、
暑いときにどのように過ごすか、
工夫やとっておきの情報を共有するということです。
個々の学習者は自分の暑さ対策について
説明できるようになることが目標です。

まず、テーマ提示では、私の暑さ対策として、
「ぼうし/せんす/すいとう/エアコン/たけシーツ/アイス」を
写真と共に紹介しました。
このような提示をすることで、
学習者は自分が暑いときにどのような工夫をしているか話しやすくなります。
20130824_don02

ありきたりのものばかりではつまらないので、
「竹シーツ」も加えてみました。
https://www.google.co.jp/search?q=竹シーツ
学習者さんからは痛くないのかという質問もありましたが、
小さいタイル状の竹が柔軟に曲がりますし、
寝返りを打ったときにひんやりして気持ち良いです。
アイスについては、「最近の私の朝ご飯です」と紹介しました。
私のよくあるパターンですが、
こういう自分のダメっぷりを最初の提示に加えることで
ちょっとでも参加者の緊張感をほぐせたらなと思っています。

今回は2つのグループに分かれて活動をしました。
ペルーとフィリピンの方々でそれぞれ別れたかたちになってしまったのですが、
はじめてで緊張するかもしれないのでよしとしました。
20130824_don01

まだあまり日本語が分からない方もいるので、
今回から新設した「バイリンガル補助者」という役割の方についてもらいました。
ゼロ初級対応は最大の課題だったので、その対応策のひとつです。
初級者と同じ母語話者の人に適度に母語サポートをしてもらい、
初級者が対話から取り残されないようにします。
やってもらってみて思いましたが、
まだまだやり方には細かい検討が必要ですが重要な役割をしていました。

この教室は子を持つ親を主なターゲットとした教室なので、
託児係と子ども学習支援もスタッフをつけています。
文化庁のこの事業では託児は付けられても子ども学習支援は付けられないので、
子ども学習支援については浜松国際交流協会の補助金事業を活用しています。
チラシで子ども対応を謳っていたので早速出番がありました。
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今回は一つの対話活動を通しで30分ほどやって、
話で出たキーワードや学びにつながる語を付せんに貼って
グループ内のみんなで模造紙に付せんを整理して貼りました。
模造紙には文字を書き込まないので、
付せんの移動だけで何度も考え直して整理することができます。
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2つのグループで作成した模造紙の成果物を交換し、
他のグループの、これは素晴しいアイデアだというキーワードに「☆」、
よく分からないものに「?」をそれぞれの付せんに書いて、
模造紙をもとのグループに戻しました。
そして、印がついたものについて話した本人から教室全体へ説明をしてもらい、
みんなで情報共有をしていきました。

「暑いときに掃除をする」というのは意外な意見でした。
暑いときこそ部屋が整って清潔だと、気持ちもすっきりするからなんだそうです。
なかなかその説明が日本語では苦労していたのですが、
振り返りでちょっとした単語を指導すると、学びにつながるんだと思います。
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模造紙にまとめた2グループの内容はこの通りです(クリックで拡大できます)。
私はペルーの果物「ルクマ」が気になりました。どんな味なんでしょうねぇ。
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毎回そうですがこういうテーマでは、
取り立ててすばらしいアイデアは出ないかもしれません。
しかし、学習者はレベルに合わせて大事な単語を覚えたり、
自分のことを単文レベルででも簡単な日本語にする練習になりました。

そして、ちょっとしたお互いの暮らしぶりも分かりました。
これは多文化共生をめざずこの教室のねらいでもあるのです。