山田です。
浜松市では、2017年12月から2018年1月まで、
第2次浜松市多文化共生都市ビジョン(案)に対するパブリックコメントを募集していましたが、
その結果が2018年3月に公開されました。
13人・3団体から32件の意見が寄せられたそうです。

市のウェブサイト:
http://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/kokusai/pubcoment/2nd_tabunnka-kyosei_vision/pubcomnt-result/index.html
パブコメに対する回答(PDF 243KB):
http://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/kokusai/pubcoment/2nd_tabunnka-kyosei_vision/pubcomnt-result/documents/tabunka2-pub-coment-result_jp.pdf

第1次案で寄せられたコメントは5年前の2013年に公開されたのですが、
それがどのようなものであったのか、ネット上で公開されているものが見当たりません。
こういった意見は、その後本当に反映されているのかを、
誰でもいつでも振り返ることができるようにしてほしいものです
(上記のリンクも、ずっと残されるわけではないと思われます)。

そして、こういったビジョンは、
案の公開、集まった意見と市からの回答の公開、最終版の公開と段階を踏みますが、
案の公開については、広く意見を求めるために説明会を実施するべきだと思います。

さて、今回公開された第2次案のパブコメ意見で、
市の回答から「今後の参考」とされたものを中心に、
気になったものを取り上げてみようと思います。

<提案5>
外国にルーツを持つ子供たちへの教育支援や
学齢期を過ぎた外国人青少年のキャリア支援にとどまらず、
就学前の子供とその保護者への支援があると良いのでは。

<市からの回答>
外国にルーツを持つ子供の地域社会への定着が進む中、
就学前から学齢超過期までの切れ目のない支援体制づくりは重要だと考えます。
ご意見は今後の施策の参考とさせていただきます。

<要望6>
学齢期を過ぎた高等学校世代に対する支援の取組がまだ薄いと思う。
学び直しは困難なケースが多いため、高等学校での授業の一環として、
キャリア教育がこれまで以上に行われると良いのでは。

<市からの回答>
ご指摘のように、
学齢期を過ぎた若者のキャリア形成過程における支援は必要だと認識しています。
P26に記載の「学齢期を過ぎた外国にルーツを
持つ青少年のキャリア支援」の取組充実を図るなど、
高等学校等と連携したキャリア支援のための体制づくりを進めていきます。

<提案8>
日本人市民と外国人市民の人間関係をつなぎ地域社会への参画を支援し、
双方が生活し易いまちづくりに貢献する「ブリッジ・ビルダー」を
地域の実状を把握し易い協働センターなどの職員として配置してはどうか。
併せて、コーディネーター機能、業務の評価方法の明示をできると良いのではないか。

<市からの回答>
ご指摘のように、全市的な多文化共生の推進にあたっては、
多文化共生センターのコーディネーターだけでは人手が足りません。
市としても、地域における共生の ための課題の解決や
住民同士の間をつなぐ人材の必要性は認識しており、
当ビジョ ンの新たな取組としてP33に「ブリッジ・ビルダーの育成」を挙げています。
ブリッジ・ビルダーの活用に関する具体的なご提案は、
今後の施策の参考とさせてい ただきます。

<要望10>
日本語学習支援に注力していることは素晴らしいことであるが、
その拠点となる外国人学習支援センターが地理的に不便な面があるので、
開設場所の見直しを検討してみてはどうか。

<要望11>
平日働いている外国人が週末無料で日本語を学習できる機会を増やしてほしい。
意欲がある人に対する学習環境の提供が必要なのではないか。

<要望12>
生活のなかで最も日本語を必要とするのは家庭にいたり、子育て中の女性だと思う。
そうした人のためにも日本語学習支援教室がもっと増えていくと良いと思う。

<市からの回答>
平成22年1月に開設した「外国人学習支援センター」は、
外国人市民の学習支援のための拠点として、
日本語学習支援や日本語ボランティアの育成を行っています。
寄せられたご意見を念頭に置きつつ、
受講者が活用し易い環境づくりに努めていくとともに、
地域のNPO等日本語学習支援団体との連携強化による
日本語学習支援体制のさらなる充実を図ります。

<要望13>
子育て情報へのアクセスや身近な相談窓口が必要なのでは。
そのためには子育て支援団体や図書館などと連携した
外国人保護者への意識啓発や情報提供、
さらに日本人保護者との接点づくりが出来ると良い。

<市からの回答>
安心した地域生活を送るためには、
関係諸機関と連携した外国人の子供を抱える保護者への
さまざまな支援は重要であると考えます。
ご意見は今後の施策の参考とさせていただきます。

<要望15>
外国人への「支援」という一方通行ではなく、
日本人との「協働」により進める共生施策が必要なのではないか。
そのためにも外国人の「自立」が必要ではないかと思う。

<要望17>
外国人へは「支援」ではなく、「協働」という姿勢で考え、
外国人コミュニティのキーパーソンを活用した働きかけが効果的だと思う。

<市からの回答>
多文化共生の推進にあたっては、一方的な「支援」にとどまらず、
外国人市民が自立し、地域社会の構成員として十分に認識され、
「協働」による取組を進めていく必要があると考えます。
ご意見は今後の施策の参考とさせていただきます。

<要望23>
示されている全ての施策の成果指標を達成することが重要であり、
アイデアや提案等を出し合うなど協働により取り組んでいけると良い。

<市からの回答>
当ビジョンは、浜松市多文化共生推進協議会及び浜松市外国人市民共生審議会、
庁内関係各課連絡会において進捗管理を行い、
オール浜松体制による多様な主体と連携した取組を推進していきます。
ご意見は今後の施策の参考とさせていただきます。

<要望24>
全体的にカタカナや難しい漢字が多い印象を受けたが内容はとても良いと思う。
加えてさまざまな年代の方に読んでいただけるような工夫があればより良いのではないか。

<市からの回答>
ご指摘のように、多文化共生の推進にあたっては、

多くの方のご理解・ご協力をいただくことが重要であると考えており、
注釈やP38の「用語解説」により説明 を加えています。
今後、ご意見を参考に、当ビジョンが多くの方の目に留まるような
周知・PRに努めていきます。