山田です。
小6の頃から約3年間支援してきた子が国へ帰りました。
理由は1つではないようなのですが、
本人の話では、
一番は、このまま日本にいても高校に行けないということでした。
母国での進学に希望を持つようになったということで、
両親もその意思を尊重し、家族全員で帰国することになったそうです。

これまでの他の子の事例からすれば、
決して進学できないわけじゃないのですが、
その子は国語の授業がほとんど分からない…とこぼしていました。
そんな自分の状況から考えて、
このままなんとか高校に行けたとしても、
納得がいかなかったのかもしれません。

依然として低くはない定時制高校での外国人生徒の中退率、
高校を出てもその先の進学率の低さ、
結局は親と変わらない工場勤務が多い実態などなど…
それよりは母国の高校、大学でしっかり学び、
母国で就きたい職に就くというのも堅実な選択です。
結果としてそれが良い選択だったと振り返れる日が来てほしいです。

小6で来日したその子にとって、
ポルトガル語の読み書きは日本語のそれより遥かに能力は高く、
日本生まれ・日本育ちのブラジル人の子のポルトガル語よりは、
綴りの正確さ、意味の違いに対する理解は優れていました。
日本にいた3年間の母語、母国での学習のブランクを埋める力はあるはずです。

日本語の面で振り返ると、
来日当時よりは格段に日本語が上達したと思うのですが、
それはあくまでも友達との日常会話の方であって、
ちょっとした漢字熟語の理解は、
基盤となる漢字の知識が活用できていないため、
効率よく拡げることができていなかったのかなという印象です。
支援は中学、家庭教師、どんぐりの3つだったのですが、
もっと日本語の支援ができたかもと悔やまれます。

本人の日本語環境や家庭学習の様子もあまり見えていませんでした。
週1回の協働センターでの支援の限界を感じます。
今、私が行っている家庭教師支援ではそこがよく見えるのです。
今後の子ども支援のあり方を考え中です。
日本での将来に失望する子を増やすわけにはいきません。