地図の中で国を移動させて大きさを比較できるサイト「THE TRUE SIZE OF …」

山田です。
日本は小さい島国なのに
どうして方言が豊かなんだろうと思ったことはありませんか?
(実際はどの国もそんなものかもしれませんけど)
その理由が、ちょっと分かった気になれるのが、
地図上で国を移動させて大きさを比較できる
「THE TRUE SIZE OF …」というサイトです。
https://thetruesize.com/

サイトを開くとこんな画面になります。

「How it works」という説明ウインドウは、
右上の「╳」印をクリックすると消せます。
色がついた国の形は右クリックすると消せますが、
スマホだとどうやって消せるか、わかりません…。

画面の左上には、検索窓があります。

ここに、英語で「Japan」と入力してみます。
入力途中でも候補が下に表示されます。
候補で出てきた「Japan」をクリックすると…

日本の領土に色が着いた状態になります。
色は国を左クリックするごとに、変えることができます。

色が着いた国は、つかんで他へ移動させることができます。
また、画面左下の方位磁針を回すと、国を回転させることもできます。

では、「日本」をヨーロッパの方へ持って行ってみましょう。

沖縄の石垣島辺りをポルトガルに合わせてみると、
北海道はスカンジナビア半島のスウェーデンに達します。
日本は思った以上に長く広がった国だと思えてきます。

この間に、言語が異なるポルトガル、スペイン、フランス、ベルギー、
ドイツ、デンマーク、スウェーデンがあるわけですから、
そりゃあ、日本語の方言のバリエーションが豊富なのも、納得ですよね。

次に、日本をブラジルの位置に移動させてみましょう。

ブラジルの公用語はポルトガル語ですが、
ヨーロッパのポルトガル語とはやや違うブラジル・ポルトガル語です。
そして、広いブラジルですから、その中にも方言はあります。

東京の中心辺りをリオデジャネイロの位置にしてみると、
京都市の辺りがサンパウロ市の中心ぐらいになります。
サンパウロとリオデジャネイロの方言差があることも、想像がつきますね。

アジアの国も見てみましょう。
近年、日本で著しく来日者数の増加が続いているベトナムです。
南北に細長い国で、あまり大きくないようなイメージですが…

そのベトナムを日本と同じ緯度に移動させてみると、
日本に匹敵する広さだということがわかります。

ベトナムは南北に広く、歴史的なこともあり、
南北で方言も大きく異なるそうですが、
その違いの大きさも、こんな地図を見ると、
なんとなく想像しやすくなりますよね。

フィリピンも見てみましょう。意外と大きいと思いませんか。

さて、これら南の国の大きさの「意外さ」は、
私たちが「メルカトル図法」に慣れてきたことに
よるのではないでしょうか。

メルカトル図法は、
緯線と経線が直角に交わるようになっているので、
どうしても緯度が高い(赤道から離れた)地域は、
歪んで広く表されてしまいます。

高緯度地域に広がるロシアは、世界で最も広い国ですが…

このサイトでロシアを赤道付近へ移動させてみると、
こんなに縮んで見えます。

逆に赤道付近にある国を赤道から離してみましょう。
技能実習生などが来日しているインドネシアを、
日本と同じぐらいの緯度へ移動させてみます。

インドネシアの東の端を東京辺りにしてみると、
西の端は中国とカザフスタンの国境付近にまで達します。
インドネシアはたくさんの島々からなる国ですが、
こんなに広く広がっているというのは驚きですね。
もちろん、言語のバリエーションは地続きの国以上に豊かです。

というわけで、日本のように小さな国でさえも方言は多彩なのですから、
大きな国は、国として公用語を定めていたとしても、
地域ごとに無数の方言や系統の異なる言語が使われているのは当然でしょう。
また、それぞれの地域の中にも複数の言語が混在し、
更に、個々人の中でもそれらが
場面や相手によって切り替えて使われていることも、珍しくはありません。

この地図サイトを見ていると、いろいろな想像が湧いてきますが、
地域の日本語教室で、学習者の母国を移動させてみて、
みんなであれこれ話し合ってみるのも、
いいんじゃないでしょうか。

ちなみに、Googleマップは昔は「メルカトル図法」だけでしたが、
技術が発達したおかげで、2018年からパソコンで表示するときは、
「正射図法」という方式も選ぶことができるようになりました。
これは、地球を宇宙から見たときの見え方で、
ロシアや南極大陸が巨大になってしまうことはありません。
(※スマホ版では、依然としてメルカトル図法だけのようですが)

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