浜松市の外国人人口/2019年版(いろいろな統計をグラフで見てみましょう)

山田です。
浜松市の外国人人口の統計を整理してみました。
これは多くの人に外国人との共生を意識してもらうためです。
私は日本語教師養成講座などでも、こういった資料を活用しています。
現状が一目でわかるように視覚化することは大事です。
公に公開されている表データを元に、グラフや地図にしてみました。

まずは外国人人口の推移ですが、
浜松市の外国人人口の推移のグラフをネットで調べるとすぐ出てくるのは、
合併前の旧浜松市と合併後の現在の浜松市という、
対象地域が異なる統計を組み合わせたものでした。
これでは基礎資料として問題です。

そこで、合併前については、
旧浜松市以外の旧-11市町村の外国人人口も遡って加えました。

期間は、入管法改正の1990からでもいいのですが、
円高が加速し始める直前の1985年4月からとして、
外国人が急増する前と比較できるようにしました。

ちなみに、入管法改正は1990年6月で、
このグラフは各年の3月末か4月1日の値なので、
法改正の影響が反映されているのは1991年の値からです。

次は、浜松市が周辺の市町と合併してからの推移を詳しく見てみましょう。
合併は2005年7月17日で、
このグラフも各年の3月末か4月1日の値なので、
その翌年の2006年からが合併後の値のグラフということになります。
主な国籍別にも分けてみました。
全体では合併した頃から3万人を超えたものの、
そこで高止まりになっていた頃に、リーマンショックがありました。
その影響で、南米の人は帰国する人が増えました。
2015年に底を打ってからは緩やかに回復をしている状況です。

この間の市内総人口における外国人の割合の推移を見てみましょう。
市民100人のうちの何人が外国人かという値です。

浜松が3%というのは高いと言えるかを考えるため、
2018年末の数字ですが、参考までに県内の各市の値と比べてみましょう。
県内全体の1.4%よりは高いですが、
浜松市は日本人も多いので外国人の割合はそれほど高いわけではありません。
逆に、比較的日本人の人口が少ない市町の方が高いことがわかりますが、
特に菊川市がここまで突出して高いのは興味深いです。

浜松市は2005年に合併して広大な面積になりましたが、
均一に外国人が暮らしているわけではありません。
区ごとにどれだけの外国人が住んでいるかも調べてみました。

中区の外国人人口を100としたときの各区の値も見てみましょう。
中区に集中していることがよくわかります。
ちなみに、浜松市は2010年1月に、
それまで中区の駅近くで行われていた国際交流協会の日本語教室を
西区の雄踏町に移しました。「浜松市外国人学習支援センター」です。
なぜ、中区ではなく外国人がそれほど多いわけではない西区に設置したのか、
なぜ、外国人労働者が通いにくい平日昼間にしか日本語教室を実施していないのか不思議です。
「浜松市多文化共生都市ビジョン」のパブリック・コメントでも
市民から似た意見が出ています(→記事)。

こちらは最新2019年4月1日の外国人人口を円グラフにしたものです。
ブラジルとペルー、その他の中の南米の国々を合わせると、
南米の人たちだけで全体の半数近くになります。
その一方で、アジア地域も全体の半数近くです。
残りのわずかな人たちがそれ以外の地域(北米、オセアニアなど)から来た人たちです。

リーマンショックの影響で減少に転じる前の2008年と今年を比較してみると、
国籍の内訳が随分異なることがわかります。
6割ほどを占めていたブラジル人が不況後の帰国や転出で4割ほどになり、
逆にフィリピン人やベトナム人の比率が大幅に増加しました(これは後述)。
立場、在留資格によって事情が大きく異なっているようです。

ブラジル人だけの推移を見てみると、このようになります。
最も多かった2008年比で2016年に43%になったあとも、
なかなか元に戻る様子はありません。

ブラジル人以外の推移は、このようになります。
2019年の大きな動きは、長らく3番目に多かった中国人を
ベトナム人が初めて上回ったことです。

フィリピン人とベトナム人のグラフだけを取り出してみると、
増加の様子が分かりやすくなります。
この間、ブラジル人は大きく減少したのに対して、ずっと増加を続けています。
特にベトナム人は、県レベルの在留資格別の人口統計で調べると、
技能実習生と留学生、そのうちの特に技能実習生が急増しているようです。
急増する前の1,000人ほどは、
1970年代以降に定住したインドシナ難民の人たちだと思われます。

最後に、「その他」の中でも急増中の人たちにも注目してみます。
ネパールやスリランカ、バングラデシュなどの南アジアや、
ミャンマー、マレーシア、タイなどの東南アジアから来た人たちです
(他にもアジアでは、インドやパキスタンからの人が多いです)。
この6カ国の人たちは絶対数は多くないものの、
直近の6年で1.8倍に増加しています。
ちなみに、これらの国は公用語が全て違います。
10年、15年後に就職などでこれらの人々の定住化が進めば、
浜松は今以上に、多言語・多文化社会になっていくのかもしれません。

ちなみに、日振協のサイトから浜松市内の日本語学校の留学生の国籍を調べると、
(浜松日本語学院:https://www.nisshinkyo.org/search/college.php?lng=1&id=463
(湘南日本語学園浜松校:https://www.nisshinkyo.org/search/college.php?lng=1&id=511
ベトナム、ネパール、スリランカからの留学生数が多いことは分かるのですが、
バングラデシュやミャンマー、マレーシア、タイの人たちはそんなにいません。
専門学校や技能実習でしょうか。

浜松でネパール人など外国人が働くカレー屋さんの地図は、
以前こちらの記事に前に作りました。すごい数ですよ。
http://tbkdonguri.wp.xdomain.jp/2016/02/25/325

他にも気になる統計があったら、このページで随時追加していきます。

■ 統計の情報元
浜松国際交流協会 http://www.hi-hice.jp/aboutus/statistics.html
浜松市 https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/gyousei/library/1_jinkou-setai/002_jinkou.html
静岡県 http://www.pref.shizuoka.jp/kenmin/km-160/toukei.html

本当は在留資格と国籍をクロスした統計なども知りたかったのですが、
浜松市などの公的なサイトにはそういった情報は見あたりません。
外国人人口が浜松よりも少ない豊田市では、
詳細なデータが公開されています。浜松市もがんばってほしいものです。
http://www.city.toyota.aichi.jp/shisei/tokei/sonohoka/1004767.html

■ グラフの作成に使用したアプリ
Macの表計算アプリ「Numbers」とスライド作成アプリ「Keynote」を使用しています。
思った通りに見栄えのよいグラフを素早く作るのにとても役に立っています。